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No.535「失われた1週間」

No.535[失われた1週間] 「白い天井が…」
この天井を見上げるようになってから何日経っただろう?
最初はなんかお腹がシミるような感じだけだったのが、その内冷や汗脂汗…どーにもおかしい、もしや熱中症にでもかかったか!?
「こんな長期間、酒もタバコも無いのはキセキとも言えよう…」
用心の為、救急車のお世話になり…これで単なる便秘だったら笑っちゃうよね〜…なんて思ってたら、そのまま手術だった…
「もう、ちょーながいなぁ♪」
「…」
「面白くない?」
「ない」
仮に月までの歩数分ゆずったとして、正直言えば笑えない…いや、笑うとイタイ…だからと言って笑いたい訳でもない。
「牛がモーと鳴いて、チョウチョがひらひらと…」
「古典ではない」
えぇ、そーですよ、あなたの言う通りのご病気ですよ…
大病では無いにせよ手術してそのまま入院は初体験だ。
しかし時期が良かったのか悪かったのか…これが普通の日にでも起きてたら自営業者にはイタイコトとなる。丁度お盆にという頃合いで、お仕事の方も減ってた時期だし、急に何か入ってきそうな時期でも無く、これは助かったと言えよう。
が、毎年のお盆中と言えば…だ…
「お、お願いしていたモノは…?」
「あー、はいはい、これね」
持っていたバッグには見舞いの品々…など入ってなくて、その中をゴソゴソと探ると冊子を取り出した。
「はい、これね?」
「すまぬ〜」
年2回の某一大イベント…の冬の申込書…
今年の夏は落選していた。冬の申込書だけでも頂きに行こうと思ってたトコロがコレで…
「何かの示唆だったか?」
「何が?」
「別に…」
思い返すと、あれは予兆だったんじゃ?これも予兆だったんじゃ?なんてのが色々出てくるが…気にしたトコロでしょうーがない、いま現在がこーなんだから…
「まったく、一般人をあんな人混みの中に一人で行かせるなんて…」
「どなたが一般の方と?」
「私♪」
自分で自分指してるし…
「あぁ、"一般"入場者って意味か♪」
「切ったのはこの辺?」
ご自身を指していた指が下を向くと、キズの上をなぞって…
「やめてください」
そのまま突っ込まれそうで怖い(口元笑ってるし)…
「それにしても…」
「はいはい?」
「日焼けしてるか?」
ちょっと小麦になっている。
「やー、暑かったしねー♪」
爽やかそうな顔して言うが、その冊子が入っていたバッグの中身が気になるぞ?
「いつも持ってるカメラは?」
「だめ♪」
質問に対する答えになってないんですけど?
察するに、何か撮りまくってきましたね?
一般とか言ってけど、実はこいつだって…
「あー、為替も用意してもらえると嬉しい…」
「は?」
「申込書も書いてもらえると嬉しい…」
「なんで私がーっ!?」
あのね…今夏はハズレたけど、当たりの時は"らっき〜♪"と言いながら1枚切り離していくでしょ?ちみ…?
売り子してくれるかと思えば、そのまま行方不明になるし…終了の拍手後、後片付けの最中にほくほくした顔で帰ってくるでしょ?ちみ…?
「四つん這いで走り回ってないだろうな…」
「ねぇ?」
「あ?」
「この管抜いていい?」
「やめてください」
あー…さっきよりにこやかな顔されてますよ…
「けど…」
「んー?」
「天気いいね」
いいけど、クソ暑い…とか、突っ込んでやろうかと思ったけど…
青く濃い空を見つめている横顔を見て…
「…すまぬ…」
心の中で謝っていた。
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