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No.516「Boogie Woogie Show」

No.516[Boogie Woogie Show] 「主のお帰り…」
相変わらず一人住まいなのに、帰宅時の挨拶がコレに定着してしまった。
「あ、おかえり~♪」
何故か一人住まいの部屋の奥から、お迎えの返事…
「今夜も作業で…?」
「…あははは…」
いつも通り、絵の具だか木工用ボンドだかで武装した…
「そんなモンで武装なんてしなーい!」
”げすっ!”
「のおっ!」
(だから…なんで俺は一言余計なんだ…?)
「あれ?」
「にゅ?」
出迎えた彩サンは非武装…
「もう一度叩かれたい?」
「誠意を持ってご遠慮いたします…」
しかし、いつもなら確かに絵の具とか何かで汚れてたりする彩サンの手がめずらしくキレイに…もしかして、今夜は創作活動してない?
「今夜は作業してないですか?」
「ん?してるよ?」
「いつもなら、手が汚れてたりなんだりしませんでしたっけ?」
「あ、絵の具とか使ってないから…」
特に画材を使わずに!?
何か怪しげな力とか使ってますか!?
「また何か考えてる…」
あきれ顔をされてしまった…
「あ、そうそう、敬サンの意見を伺っておこう…」
「へ?俺に彩サンの作品のコメントは出来ないと思いますよ?」
「作品じゃなくて、仕事なんだよ~…」
ちょっと泣きが入ってそうだけど、仕事じゃ尚更コメント出来ないのでは?
そう思いつつも、彩サンに手を引かれ、自分の部屋へ…

「こ!これは!」
「これなんだけど…」
「…」
「もしもーし?」
どんな作業かと思えば、珍しく部屋の中は片づけられ、小さなテーブルと、その上には…
「魔法の箱…」
「パソコンだよ?」
「家にそんなモンは無かったハズです…」
「あ、これ会社のだから…」
「あああ、彩サン!?パソコン使えるっすか!?」
「うん、会社だとほとんどコレだよ?」
そう言いながら、何やら丸いモノをコロコロと軽快に転がし…いくつかの突起をポチっとな…
(尊敬します…)
「これなんだけど…」
「俺、ぱそこんって判らないです…」
(思わず言葉が平仮名になってしまった…)
「見る位は出来るでしょ?」
そして何やら画面に表示され…
「こんなんどうだろ?」
そこには、ここ最近見た事の無いような、明るそうな顔をしている宏美の姿…
この背景は何だろう?なんかJAZZぽい感じを出してはいるけど…
「これは?もしかして例のジャケット?」
宏美の3枚目のCD、ジャケット制作は彩サンの会社に発注されていた。
「それとはまた別…」
「へ?」
「鐘野さんがね、今度の宏美サンのライブポスターやってみないか?って…」
「これがその案?ポスターにするには小さいのでは?」
「パソコンが小さいだけだよ、実際はポスターの大きさなの」
そういうムツカシイことは判らない…
しかし、鐘野サンもすっかり彩サンを便利に使っている…
でも、こうやって彩サンにチャンスを与えているのも確か…なのだが…
「…ねぇ、彩サン…?」
「にゅ?」
「どんなライブなんでしょ?」
宏美のライブと言えば、スタンダード系中心…もっとクールな感じでもいいかと思うが…
この感じはスタンダードはスタンダードでも、ちと古い系を彷彿とさせる…みたいな…
「…はっ!」
「うん、なんかね、ヴギなんだって…」
そう言えば、前のインストアライブの時、CDの収録曲ではなく、古い古いお歌ばかり歌ってた記憶が…
その時、鐘野サンが…

「英語の歌詞だけがJAZZじゃないからね」
「まぁ、アタシが昭和のいいJAZZをやらせたいんだがね」

なんて言ってたような…
「ヴギウギって言ったら、こういうのでいいんだよね?」
何か古いポスターでもイメージされたのだろうか?それらしいような雰囲気は出ているとは思うけど…
「…ちょっと違う…」
「えぇっ!どどど、どう違うの!?」
この絵柄も確かにヴギを連想させてはくれそうなんだけど…
「鐘野サンの言うヴギというのは…」
「うんうん…」
「この辺に買い物カゴと、鮭の缶詰を置いて…」
「にゅ?」
「いや、むしろそれよりも古く…」
「にゅにゅにゅ?」
彩サンにどう説明したらいいんだろう?
「ずきずきわくわく…」
「な、何言ってるか判らないよ~!?」
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