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No.503「夏待時」

No.503[夏待時] 日の光が部屋に差し込む時間が早くなった…
朝の目覚めに汗を感じるようになった…
冷たかった水道の水が少し温くなった…
季節は夏を迎える準備を始めていた。
でもその前に…
「…蒸す…」
「しょうがないと思います…」
「…雨は嫌いだ…」
「それを過ぎないと夏にならないと思うの…」
「…雷イヤン…」
「それは私も…」
このままスパッと夏に切り替わって欲しい…
そう思うのは古今東西津々浦々、俺以外にも絶対にいるハズだ。
「ほらほら、天気いいんだから♪」
うらやましい位、お元気な方1名…
「いくら何でも、まだ涼しいんじゃないでしょうか?」
「何が?」
「その格好…」
「今年はヤシの木陰でノンビリ♪したいな~♪」
日本にそんな優雅な場所はございません…
フツーの海岸はあるかもしれんが…この方の脳裏に浮かんでいる風景は、絶対日本じゃない。
よく判らない言葉が周囲で交わされる、(日本)人外魔境でありましょう…
野口先生が使えない世界…
(福沢先生は元々おられない…)
「お一人でどうぞ…」
「えぇ!?連れてってくれないのぉ~!?」
ムクれてますが…連れて行かなきゃいけない理由も見当たりません。
逆に連れてって欲しい位だ、きっとその魔境は夏真っ盛りであろうから…
「水着新しいの♪」
何を唐突に…
「…そりゃ良かった…」
「見たくない?見たくない?♪」
そう言いながら、胸元チラチラ、スカートヒラヒラ…
「って!着てんのかよ!?」
「今のうちに慣れようと♪」
気が早過ぎだろ?
そりゃ確かに、あちこちのデパーなんかでは、マネキンが着込んでいる。
「マネキンの真似する必要なかろう?」
「真似じゃないですけど…」
そう言えば、ヤシの代わりに松かもしれない国内の海ですら、俺も久しく行ってない。
昔は随分と泳げたんだが、眼鏡必須な目になってからは…ダメだった。
「それもあるけど…」
「にゅ?」
最近、また抓めるようになってしまったコレを…コレを…
「コレをー!」
「わ!急に大声出してどうしたの!?」
「えぐえぐ」
「こ、今度は泣いてる~!?」
「くそー!分けてやる分けてやる分けてやるー!」
「お!お腹触らないでよぉ~!」
季節は夏を迎える準備を始めていた。
そして、俺も迎える準備を始めないといけなくなっていた。
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