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No.467「ここどこだろ?」

No.467[ここどこだろ?] 「あれ?ここどこだろ?」
多分そんな独り言を言ってるに違いない…
来るのが遅いので、もしやと思いホームの反対側の出口に着てみたら、案の定、宏美は辺りをキョロキョロ見回し、知ってる顔を必死に探している様子だった。
「いつ気がつくかな…?」
まだ多少の時間の余裕はある。しばらく観察してみるコトにしてみた。
「えっと…地下鉄の出口を出たら、交番が…ないよぉ~(泣)」
「そりゃそうだ、逆に出てるんだから…右じゃなく左方向だ」
なんて小声で言ってる俺もいやらしいかもな…あー…あっち行ったりこっち行ったりしてるよ…まったく…。
「出たら右に下がって…あれ?下り坂じゃないけど~(泣×2)」
今夜は俺と、今道に迷っている宏美、それと店前で待たせている彩さんの3人でライブを聴きにきた…いや、まだ「きた」コトにはなってないか…
宏美が道に迷うコトがほぼ予測できていたので、集合時間を若干早めに設定していたのだが、見事としか言い様が無い。
「しゅ、集合時間過ぎてるよぉ~(号泣)」
うろうろの速度が上がってきた、そろそろ行ってやらんとイカンな…。
「ふえーん」
と、俺が出て行こうとすると、宏美は全く正反対の方向へ走り出してしまった。
「わ!おい!ちょっと待て!」
交差点のド真中で捕まえ引き戻す。
「どこ行くつもりだー」
「あ、あれ?」
俺がどこから現れたのか判らず、不思議そうな顔をしたまま、本来の集合場所方面へ連れられるのであった。
「相変わらず方向音痴だよなぁ…」
「え?間違ってた?」
「うむ、見事に反対側だ」
「だ、だって~、この辺よく判らないんだもの~」
判らないって…この間、この近くのライブハウスで歌ってたばかりじゃないか…チミは…
「おまえ、よくそれで初めてのライブハウスに行って歌えるよなぁ…」
「でも、そういう時は鐘野さんが一緒だから…」
「電車位一人で乗れるようになりなさい」
「はう!あ、ね、ねぇ?時間大丈夫?」
「あぁ、多分こうなるんじゃないかと思って、早目に設定してたので大丈夫だ」
「こ、こうなるって…私が反対側に降りちゃうコト??」
「そう」
「ひどい~」
まぁ、長い付き合いだから、こいつの行動パターンはよく判っている。方向音痴というのも昔から変わってないし…小さい頃はこいつの方がしっかりしてたんだがなぁ…
「だったら…」
「え?」
「集合場所、反対の出口って教えてもらってれば良かったのかもね♪」
さっきの涙目はどこへやら…舌を出しながら照れくさそうに言うが…
「それでは本末転倒だろうがー」
「わ!か、加速しないでー!」
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