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No.452「煙草と酒」

No.452[煙草と酒] 「あー、いたいた…」
公園のいつもの練習場所に彼女は座っていた。煙草の煙を躍らせ、片手には酒…いつも通りの格好だ。
「おう、敬、付き合うか?」
振り向きもせず、空いた手を振り俺を招く…その手首の動きのだらしなさから、相当呑んでいる事は予測がついてしまった。
「付き合うかじゃないっすよ~もうすぐライブ始まるのに、主役の音羽さんがいないんじゃ…」
「いいよ、今夜のリーダ権はキミにやる…」
「じゃなくて~」
今日は1日この人に付き合っていた…いや、正確には昨日の晩からか??ジャムセッションがあって、そのまま連れ出されたんだ…
それで最後の最後に行方不明になるんだからなぁ…まぁ、いつもの事なんだけど…困ったものだ…

「本当に来ないんですか?」
「すまんな、今夜はあまり奏(や)る気が出ねぇんだ」
そう言いながら大きな木に背伸びをしながら寄りかかる…
俺もその木の横に立ち、煙草に火をつけた…とりあえずこの1本が終わったら戻ろう…と
「みんなには何て説明すれば…」
「大丈夫だ」
「なぜー!!」
「キミ以外のメンバには既に伝えてある」
「はぁ??」
思わず持っていた煙草を落としそうになった。
そして音羽さんの顔を見ると、口元を上に上げてニヤけているではないか…
「なに、そうしときゃキミは迎えにここに来る、で、オレは呑み相手を確保できると…な」
「もしかして俺って、みんなに仕組まれたんですか?」
「そうだ」
そう言えば、探してくると店出る時、心なしか他のメンツの顔がいつもと違ってたような気もする…「よろしく~」という顔じゃなく「あ~ぁ、かわいそうに…」って顔だったようななかったような…
「気にするな、まぁ、座って呑もうや」
「気にしますってー!」
そして俺は音羽さんからボトルを奪うと、一気に口に含んだ。
「なんだ、やっぱ呑みたかったんだな」
「開き直ったんです!」
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